最近、山口周さんの本や記事を見ていて「意味がある人」について考えているカシカです。
山口さんの自動車業界の提供価値を「役に立つ」と「意味がある」の2軸で説明するのがわかりやすく、1年前の記事ですが 対談3の 居場所の話しなどはとくに今の私に刺さりました。
ダイヤモンドオンラインの【 山口周×尾原和啓対談1 】は こちら です。
Tシャツにはどういう価値があるかを考えなさい
山口周さんと尾原和啓さんの対談には夏野剛さんのTシャツ理論のことも書いてありました。
私はTシャツは作ってませんが、Twitterのタグやzoomを使って投資家同士をつなげたいと思っています。
マネ森とゆる森は、個人投資家の「コミュニケーション価値」になりたいのかもしれません。
この記事を読みながら、私がマネ森やゆる森で投資家のために何ができるかあらためて考えることになりそう。
尾原:僕は、「i-mode」の立ち上げ事業を支援していたときに、夏野剛さんたちが話していた「Tシャツ理論」が印象深かったです。
i-modeの携帯電話のディスプレイは当初は白黒で、画面は8×6サイズしかないし、メモリーも2000文字出したらアウトという、今ならあり得ない、「役に立たない」の領域からスタートしました。
備わる機能性としては、Eメールが外出先で見られるくらいだったのですが、夏野さんはその時に「Tシャツにはどういう価値があるかを考えなさい」と話していたんです。
Tシャツは、機能的価値で言えば汗を吸うとか温度を保つということになりますが、人がTシャツに求めるものはそうした機能性面より、「コミュニケーション価値」「仲間を見つける価値」です。
今僕が着ているパンダアルゴリズムのTシャツも、意味を知っている人には刺さり、コミュニケーションが生まれます。
あるいは、僕が使っているソーラーパネルバッグもそう。バリのようなさんさんと太陽光が降り注ぐ国ではiPhoneを4時間分くらい充電できるのですが、日本の曇の多い空の下だとまったく役に立たないんですよ。でも、ガジェット好き、エコ好きが町中で声を掛けてくれる。それこそがコミュニケーション価値なんです。
さらに大事なのは、Tシャツは人とのコミュニケーション価値よりも、自分へのコミュニケーション価値を持っているということ。ザ・ローリング・ストーンズのベロ・マーク(“tongue and lip”logo)Tシャツを着ている人は、ミック・ジャガーのようになりたいという気持ちがあるだろうし、僕の場合はパンダアルゴリズムのTシャツを着ながら、全知全能で検索クエリが飛んで来たら、すぐにわかりやすく答える人になりたいという、「なりたい自分」を着ている。
つまり夏野さんは、機能的価値では役に立てないけれど、自分へのコミュニケーション価値に振って、「意味」を見出しました。結果、着メロ、待受などを作り、最盛期で6000億円くらいの市場になったのですが、あの半分は「意味」のマーケットだったんですね。